抗がん剤治療を行う女性のために

抗がん剤治療前に知っておきたい脱毛の基礎知識

抗がん剤治療による脱毛前に行っておくべきこと

抗がん剤治療が始まってからあわてないためにも治療にまず準備をし、副作用による脱毛対策をしておくことが大切です。 ここでは、抗がん剤治療の前に行っておくべき脱毛対策についてご紹介いたします。

髪の細胞は頭皮に約10万個あり、一つ一つが個別に発毛から脱毛までの周期を営んでいます。ですから、普段は一気に髪が生えて一気に抜けるということはありません。約10 万個の髪の細胞のうち、およそ90%が2〜6 年かけて成長しており、あとの10%が抜けるまえの準備をし、一日に約100 本が自然に脱毛しています。抗がん剤はこの成長をしている90%の髪の細胞にも影響を与えるので、急激な脱毛が起こります。

ただし、抗がん剤の影響は一時的なものですので、治療が終了し3〜6 ヶ月すれば再び髪の毛は生えてきます。脱毛には外見上の問題が大きいのはもちろんですが、頭皮を保護するという髪の毛の役割が低下するという問題も同時に 起こります。脱毛は、治療開始後すぐではなく、10 日〜2・3 週間ぐらいで始まることが多いようです。

治療に使われる薬が「脱毛の可能性が高い」と説明をうけたら、治療の前に医療用かつらや帽子・バンダナ・スカーフ・ナイトキャップなど の準備をしておくことをお勧めします。抜け始める時期と白血球が下がってくる時期が同じなので、医療用かつらや帽子などを購入するための外出が一時難しく なることがあるためです。

 

1. 髪を短くしておきましょう

脱毛が始まる前に髪を短くすることをお勧めします。脱毛前に短くしておくことで、摩擦による抜け毛の減少や薄くなるのが目立ちにくくなります。女性にとっ て髪が抜けてしまうことは、非常につらいことですが、一般的には抗がん剤治療後は髪は元通りに生えるとされています。少しでも早く、元の髪型に戻していた だくためにも、脱毛が始まる前に髪を短くすることをお勧めいたします。

 

2. 就寝時用のナイトキャップを用意しましょう

脱毛期には就寝時に枕周りに髪が落ちてしまいます。抜けてしまった髪を見ることはストレスの原因にもなります。ナイトキャップを就寝時に着用することで、そのような不快感や余計なストレスを軽減することができます。

 

3. 爪を短くしておきましょう

抗がん剤治療中は、頭皮が非常にデリケートになってしまいます。長い爪で洗髪すると、頭皮を傷つけてしまう可能性があります。頭皮を守るためにも爪を短かめにしておきましょう。

 

4. 医療用かつらや帽子、バンダナなどを用意しましょう

脱毛は大変なストレスを抱えます。かつらや帽子は精神的負担を軽くするアイテムですが、それらをを楽しむことでより前向きに治療に向き合える場合もありま す。かつら(ウィッグ)をご購入の際には、医療用のものかどうかを確かめてご購入ください。ファッション用は、デリケートになっている頭皮の状態に最適で は無いものや、十分な機能やサービスが得られない可能性があります。

 

5. できる限り濃いめの洋服を用意しましょう

抗がん剤治療の脱毛期には、抜けた髪の毛が、肩などについてしまうことがあります。
少しでも目立たなくするために、濃い目の服が最適です。